Android(アンドロイド)総合情報サイト AppComing(アップカミング)には、Androidスマートフォン、モバイルルーター、モバイルネットワークフィールドテストなどの情報が満載!!


ホームKDDIモバイルネットワーク説明会~田中社長による一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTE...

KDDIモバイルネットワーク説明会~田中社長による一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略~(前編)
( 2013-09-03 09:15:00 )

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

KDDIは、9月2日に「モバイルネットワーク説明会」を開催し、田中孝司社長自ら、 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略についての説明を行った。

6月10日の記者会見から3か月近くが経過したKDDIのLTEネットワークの現状と今後についてレポートする。
 

1. 一連のLTE通信障害への対策(進捗状況)

冒頭、田中社長は一連のLTE通信障害の概要、基本方針、推進体制、対策スケジュールといった6月10日に開催した記者会見の内容を改めて説明した。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

データ通信(4月27日・約59万人、5月29日・約56万人、5月30日・約64万人)と音声通信(5月29日・発信2.8万人、着信6.6万人)が利用できない大規模な障害が短期間に発生した。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

これら一連のLTE通信障害について、ソフトウェアとハードウェアの品質向上を図り、運用品質の向上、容量設計思想・指針という3つの基本方針を明示し、「スマートフォン/4G時代に見合った”機能安全”(フェールセーフ)の確立」として打ち出した。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

全社横断的な推進体制としてLTE基盤強化対策本部も新設した。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

これら3つの基本方針に基づくLTE通信障害対策スケジュールは、8月末迄に完了というスケジュールを明示した。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

続いて。現時点での進捗状況について、ソフトウェアとハードウェアの品質向上に関しては、スケジュールを前倒しして8月半ばに完了していることを明らかにした。

運用品質の向上、容量設計思想・指針の確立対策として、障害の要因となったMME設備の増強を19台から60台へと約3倍に増強を終えており、継続的に増設を実施するとしている。

6月10日の記者会見では、8月末に50台・9月末には58台としていたので、既に1か月以上の前倒しでの増強が完了している事が確認できた。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

障害対策を終えて、今後はLTEのさらなる強化フェーズに入り、今後のトラフィック増加に対応する設備増強・LTEネットワークの拡充・強化に務めるという。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

また、お客様満足度向上WG(ワーキンググループ)による改善の取り組みについて、「お客様の声収集・情報発信・運用対応」を行っている。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

一例として夏の全国370イベントでは、イベント時のお客様の声をリアルタイムに収集しトラフィック対策を実施して、大きな成果があったとしている。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

コミックマーケットではSNS上などで話題となった特別仕様(外観)の4G LTE車載型基地局および人間Wi-Fiによる対策を行い、来場者からの高評価がSNS上に寄せられていた。

 KDDIモバイルネットワーク説明会 一連のLTE通信障害への対策・進捗状況とこれからのLTEネットワーク戦略

これら対策の進捗状況、お客様満足度向上への取り組みの一例を挙げての説明を行ったが、「今後、全社を挙げて再発防止を徹底すると共に、増加するデータ通信量への対応を行い、機能安全(フェイルセーフ)の考えのもとに、お客さまに安心してご利用いただける通信ネットワークを提供していきたいと思っている」とまとめた。
 

AppComing編集部の視点

以前のNTTドコモでの障害頻発の後と同様に、KDDIも過負荷時の耐障害性はかなり高まった事が推察される。

但し、NTTドコモは、他社の数倍とも言われるオーバースペックでインフラを構築・整備していると言われていることと比較すると、部分的に設備を数倍にしたからといって、全体の信頼性・耐障害性が数倍に高まったということではない。

また、局所的な対策に集中した期間は、ヒューマンリソースも集中しているはずであり、代わりに後送り・手薄となっている面もどこかにあるのではないか?という懸念も残る。

今後、新しいiPhoneがリリースされた後、半年・1年と経過した普及後に、今までAndroidのみで利用していた800MHz帯のLTEネットワーク網が過負荷状態になった際に、今回対策の真価が発揮される事を期待したい。

 後編へ続く >> 


関連過去記事

  • 【特集】KDDIのLTEネットワークは大丈夫なのか?

【1】LTE通信障害の原因と対策に関する記者会見(後編)
 http://app-coming.jp/485.html

【2】LTE通信障害の原因と対策に関する記者会見(後編)
 http://app-coming.jp/486.html
 

【3】障害は頻発したが、LTE通信品質が高いKDDI
 http://app-coming.jp/487.html
 

  • 【特集】KDDIの大規模な年末年始の障害における根本原因と対策

前編   http://app-coming.jp/367.html
 
後編1 http://app-coming.jp/368.html
 

後編2 http://app-coming.jp/369.html

 

GAPSIS
S-MAX