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docomo LTE Xi下り最大100Mbpsサービス:フィールドテスト特集【ツール編】電波測定ツール
( 2013-01-13 20:30:00 )

docomo LTE Xi下り最大100Mbpsサービス:フィールドテスト特集

11月16日にNTTドコモがサービスを開始した『docomo LTE Xi下り最大100Mbps』のフィールドテスト特集のツール編第2弾は、前回のスピード計測よりはややマニアックな領域となるが、電波測定ツールについて紹介する。

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電波測定でスピードを計測する際に、同じ場所でも数m程度移動するだけで、結果が大きく異る事も多い。 より狭い範囲の例として、机上のどの位置に端末を置くかという数10cmレベルの違いだけでも電波状況が変わることは少なくない。

ユーザ視点ならば、より電波状態の良い場所で使用する事が好ましいということになるが、今回のフィールドテストは、『高速性を確認する』という目的があり、具体的には、理論値上限に近い数値でサービスが提供されているかを計測する必要があった。

基地局のインフラ状態については、外部から掌握できない為、外部から掌握可能な電波の吹いている向きを見つけ、電波が吹いている方向で、より強く、ノイズ・干渉が少ない品質の良好なエリアを見つけ出し、更にそのエリア内で、より良い電波を掴めるポイントを確認するために、各種電波品質の数値データを取得できる電波測定ツールを活用することで、理論値上限に近いスピードでのサービス提供を確認できた

街中に出かけてフィールドテストを行う人は少数派かもしれないが、自宅や勤務先・学校、カフェなど、自身が主にいる場所の電波状況を知りたい場合や、通信状態が悪い場所を各キャリアの電波改善窓口に連絡する際にも役立つと思われるツール類を幾つかピックアップした。
 

電波強度などの基本情報確認を確認するための簡易ツール

Network Signal Info ProNetwork Signal Info(同Pro)は、モバイル通信とWi-Fiの電波強度などの状態を一覧表示し、電波強度を小さめなリアルタムグラフで表示する簡易チェックツールだ。
MAPは現在状態を表示するが、日本ではCellがデータベースに登録されていないとワーニング表示され、Cellの位置やCellまでの距離は表示されない。計測結果の軌跡表示機能も無い。
但し、Pro版(本記事執筆時点で106円)でのウィジェットが見やすく、ホーム画面に置いてチェックしたい人には向いている。まずは、無料版でチェックすると良いだろう。

Network Signal Info ProNetwork Signal Info Pro
 

RF Signal TrackerRF Signal Trackerは、電波強度のリアルタイムグラフが見やすくログ保存も可能なツールだ。 DMボタンを押すと電波強度を大きく表示してくれるので、短い距離を移動しながら電波強度の強い場所を探すときなどに重宝する。

Main画面にSNRが表示するエリアがあるが、SC-02E・L-01E・LGL21・HTL21などで確認したものの、正しく値を拾えていないようだ。MAPも機種依存かもしれないが、日本だと正しく機能しないようだ。

RF Signal TrackerRF Signal TrackerRF Signal Tracker
 

Radio MonRadio Mon(Free版と有償版)は、メイン画面のNetworkやPhoneは、数値表示が大きめで見やすいが情報量は少ない。
電波強度のリアルタイムグラフが見やすくログ保存も可能だ。マップには過去の計測データがプロットされていおり、タッチ操作で計測データを確認できる。
無料版では上部メニューが広告に隠れていて操作しにくいので、気に入ればfree版から有料版(本記事執筆時点で481円)に切り替えたほうがストレスが少ないだろうが、他のツールでカバーしている機能が多く、推奨するレベルではなかった。

RF Signal Tracker
 

RSRP・RSRQ・SNRチェック用ツール

電波品質・状況をより細かくチェックしながらフィールドテストを実施する際には、RSRP(Reference Signal Received Power=基準信号受信電力)・ RSRQ(Reference Signal Received Quality=基準信号受信品質)・SNR(Signal-Noise Ratio=信号雑音比)を確認できるツールが必要となる。

キャリアやQualcommなどのチップベンダーが提供するツール類は、一般の人が入手できないため、また、端末のroot権限を取得すること無く、汎用のアプリ・ツールで少しでも多くの電波品質の指標を多く取得するために有効なツールが必要だ。

ShowServiceMode For GalaxyLTEShowServiceMode For GalaxyLTE(本原稿執筆時点で105円)は、本シリーズ記事中でも伝えたが、GALAXYシリーズでのRSRP・RSRQ・SNRチェックやバンド固定など、広く使える有効なSamsungのフィールドテストアプリを起動する為のショートカットアプリだ。アプリ一覧には表示されないため、ダイヤルパッドなどの操作が必要なところをこのアプリが簡易に起動できるようにしてくれる。
BASIC INFORMATIONで各種ステータスを表示してくれる。 計測データのログの取得やGoogleマップとの連動などは無いが、電波品質を掌握するためにも、GALAXY端末で必須のツールと言えるだろう。 但し、各設定を理解せずに安易に変更することで、ネットワークに接続できなくなるなどのトラブルに陥らないよう、十分な理解と注意が必要だ。

 

ShowServiceMode For Galaxy LTE
 

QuickShortcutMakerQuickShortcutMakerは、端末メーカーが供給する通常のアプリ一覧には表示されないフィールドテストに役立つツールを探す為に有効なショートカット作成ツールだ。
LG製の端末などでは特に有効で、Engineering ModeやKDDI TEST MENUなど、いくつかのTESTツールを見つけることができるはずだ。 但し、root権限が無いなどの利用で使用できないツールが多いので、どの端末でも有効なツールとはならないため、補助的なツールとして使う事になるだろう。

フィールドテストでの使用という目的とは異なるが、通常のモバイルネットワーク設定からは見えないAPNを表示することができる場合もあるので、誤ってデータを書き換えるなどしてトラブルに陥ることには十分に注意が必要だ。

QuickShortcutMaker

 

Network Signal StrengthNetwork Signal Strengthは、Network InfoメニューからOperatorやNetwork Typeなどの基本情報や、RSRP・RSRQ・SNRなどの電波品質の指標をリスト表示するだけのシンプルなツールだ。
ウィジェットもあり、デザイン(テーマ)変更機能は非常に良いが
、表示される情報が少な過ぎるのは惜しい。

ServiceModeで確認できるGALAXY以外の機種においては、スピードテスト計測ポイントを探すのに非常に有効なツールだ。 

Network Signal StrengthNetwork Signal StrengthNetwork Signal Strength
 

計測データログの活用・ビジュアル化が可能なツール

ログファイルのCSVファイルなどへの出力機能や、Googleマップにインポートが可能なKMLファイル出力によるマップ連動機能を有する事で、電波測定後の結果評価を行う際に有効なツール類がある。

ここまでに紹介したツール(Network Signal Info、RF Signal Tracker、Radio Mon)でも、ログの出力やマップを活用はしているが、電波品質に関するログが不十分であったり、マップ上の挙動が不確かであったり、現時点では電波測定結果の再利用性には乏しい。

G-NetTrackG-NetTrackは、Cell情報画面で、RSRP・RSRQ・SNRなどの電波品質を含む必要な主要データが1画面に表示され、LOGの記録も可能だ。Map画面から電波状況をビジュアルに把握したり、KMLファイルの出力(Export)も可能とかなり多機能なツールだ。

但し、Uplink・Downlinkのbitrateは値が低く、計測サーバが国内には無いものと思われるので参考にはならない。 

その他、Webサイト「G-NetDiag」(http://www.gyokovsolutions.com/G-NetDiag/G-NetDiag.html)にてログデータをインポートしてマップに表示する機能もあるが、検証が不十分ということで、有効性については評価できていない。

G-NetTrack
 

XenSurveyXenSurveyは、本シリーズ記事中でも伝えたが、主要な指標を表示するだけではなく、任意または自動でのスピードテスト実施、各種計測データのクラウドへの保存、Web上でのビジュアルな結果確認、レポート生成機能、CSVファイルおよびKMLファイルへのエクスポート機能まで有している。
開発元のサポートレベルも非常に高く、日本語の扱いが正常ではなかったPDFレポートなどの改修対応も早く、Uplink・Downlinkのスループット結果改善(アルゴリズムの修正など)も素早く、Downlinkに関しては日本国内に計測サーバ環境を用意しているため、妥当な結果が得られやすい事を確認している。

但し、無料のAndroidアプリだけでは、画面に表示するだけのツールに留まる為、1デバイス=$36.25/月、5デバイス=$123.75/月(3か月契約だと20% OFF)と、やや個人としては高い費用を払わないとフルの機能は利用できない所が難点だ。

また、SNRを表示するエリアは用意しているが、現状ではSNRの取得ができていない。他のアプリで取得できる電波品質の指標だけに、機能改善については要望をしているが、まだ目処は立っていない。 
その他、
これらの詳細については、次回の記事にて紹介する。

XenSurvey for AndroidXenSurvey for Android
XenSurvey for AndroidXenSurvey for Android


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以上、いくつかの電波測定ツールを紹介したが、他にも似たようなツールはいくつもある。(日本語対応されていないアプリが殆どだが。) 

自身の目的にあったツールを見つけて、気軽に、正確な電波測定ができることで、単なる趣味や興味としての電波の可視化や高速な通信ができる場所を探すことなどを楽しむ事に役立ち、或いは自分以外のユーザにも価値のある情報を伝えることができ、各キャリアの電波改善窓口にも数値で状態を伝えることで、よりスムーズなエリア対応が期待できるだろう。

また、社会的に影響力のあるメディア、著名なジャーナリスト・専門家、或いは有名な一個人が、スピードテストの結果や電波の状況を記事やTwitterなどのSNSで伝える事があるが、妥当性・信ぴょう性・正確性などが疑わしい情報発信により、誤認されているであろうというケースも少なからずあり、あまり好ましい状況とは言い難い現状がある。
一般ユーザや読者サイドは、得た情報・内容を単に鵜呑みにすることなく、確からしさなどを追求し、賢く判断しなければいけないという事になるが、実際には、よほどの興味がなければそのまま信じてしまうはずだ。 故に、影響力のある伝える側が、より電波品質への意識を持ち、結果のみならず電波状況など環境や要因を計測・明示して、誤認されない事実を報ずることを期待したい。
多少なりとも興味がある一般ユーザ・読者においては、本記事が、自身のエリアにおける電波状況を可視化する事などを是非とも経験して頂き、賢く判断するためのスキルを身につける際のツール選定などに役立てば幸いだ。

最後に、キャリア、端末メーカーおよびSoCチップメーカーにおいては、自社の為のフィールドテストツールを開発しているが、これらツールの一部機能を開放すれば、ユーザが電波品質などのテストを任意に実施することで、より多くのテストデータが取得できる。 取得したデータを活用する為のシステム化が前提とはなるが、今後の複雑化・高速化・大容量化が進むモバイルネットワークの品質向上や発展に寄与する事が想定されるので、是非ともコンシューマ向けの汎用ツールとして供給することを検討して頂きたい。
 

【ツール編】クラウド対応FTツールXenSurvey >>
 

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Xi100Mbps測定ポイント 


Xi100Mbps測定ポイント をGoogleマップ表示
 

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