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イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念【2】9月18日開催の記者説明会(後編)
( 2013-09-30 10:00:00 )

イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

イー・アクセス(eAcess)が9月18日に開催した、イー・モバイルの「1.7GHz帯拡張実験及び今後の展開に関する記者説明会」に関して、9月26日にイー・アクセス広報・CSR室を訪問取材しての特集第2弾は、記者説明会の概要後編をレポートする。

イー・モバイル 150Mbps(2x2 MIMO)・300Mbps(4x4MIMO)実験局イー・モバイル 150Mbps(2x2 MIMO)・300Mbps(4x4MIMO)実験局
香川県高松市で実施した1.7GHz・20MHz幅での実験基地局
2x2MIMO/150Mbps・4x4MIMO/300Mbpsに挑んでる
  

1.7GHz帯拡張の実験結果

イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念 イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

総務省は、「周波数再編アクションプラン」(2013年9月版案・本記事執筆時点でWebでは未掲載) において、昨年12月の周波数帯の整備による1.7GHz帯のF0・5MHz x 2幅(1745~1750MHz・1840~1845MHz)を割り当てる計画があり、NTTドコモに割当られているエリアも現在の東名阪から拡大する方向にある。

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そこで、8月22日から9月末の予定で、1.7GHz帯の拡張実験として、20MHz幅での2X2MIMO、CA(キャリア・アグリゲーション)、4x4MIMOの性能評価を香川県高松市で実施した。

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1つ目の実験結果として、連続した20MHzと10MHz+10MHzのCA(キャリアアグリゲーション)による性能比較を行い、CAよりも連続20MHzの方が定点平均で5%・移動時平均で7%高速となる事を確認した。

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通信制御用データのオーバーヘッドにより理論値上でも連続20MHzの方が利用効率が4.5%高いが、実際のCA利用時は理論値よりも更にロス大きく、連続した20MHzの方が効率が良いということになる。

限られた帯域資源を効率よく利用するには、EMOBILEが取得した方が良い事をアピールするための材料としては十分といえるだろう。

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4x4MIMO・20MHzを商用ベースの基地局で実施した結果としては、4x4MIMO対応の実験用端末で下り最速291Mbps(平均267Mbps)を記録している。 

基地局性能、使用場所、端末性能によっても結果は異なるので実験結果に意味は無いという声もあるが、ラボ内ではなく商用ベース基地局で理論値の300Mbpsに限りなく近い値が出たことは、今後の実用化に向けて期待が持てる結果だ。

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端末性能に依るという点では、実験用端末ではなく、UE Category4・下り最大150Mbps対応の既に販売している商用端末であるGL07S(STREAM X)・GL06PおよびGL08Dの3機種での評価も行っており、スマートフォンのGL07Sで138.24Mbps、データ通信端末のGL08Dで148Mbpsを記録しており、F0・上り下り5MHzずつの追加割当があれば、3G用の帯域を残すために20MHz幅・150Mbpsでの利用はできないとしても、現在の75Mbpsエリアは、15MHz幅で112.5Mbpsまでの高速化が即時可能になる。

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ユーザまたは購入検討中の人にとって、LTEが高速化されても、製品スペックのみでは無く、実際に高速通信が可能な事を確認できた点は安心材料になるだろう。
 
  

今後の展開

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現在、9月時点でNTTドコモは下り112.5Mbps(端末はCategory4対応製品がドコモからは発売されていないため、現状は下り100Mbpsに留まるが、冬モデル以降で対応製品が登場する予定だ)、10月からはバンド3での下り150Mbpsサービスも東名阪エリアで正式に開始される。

既に9月下旬から対応基地局でのサービスが開始されており、SIMロックの無いCategory4対応のEMOBILE STREAM Xで100Mbps超のスピードテスト結果も出ている。

UQコミュニケーションズも、ソフトバンクグループのWCP(Wireless City Planning)との周波数割当競争に勝利したことで、現時点のWiMAXによる下り最大40Mbpsから、10月下旬にはWiMAX2+による110Mbpsでのサービスが開始される計画だ。

一方で、EMOBILEは、現時点で下り最大75Mbpsだが、LTEバンド3(1.7GHz帯)のF0・上下5MHzずつの追加割当が無いと2015年以降に利用が可能となる700MHz帯まで高速化ができない事になるので、速度競争においては、モバイルキャリア大手5社で最も不利という見方ができる。

逆にF0が割当された場合には、2x2 MIMOで112.5Mbps、150Mbpsと高速化を図り、700MHz利用開始時には、150Mbps+75Mbpsで225Mbps、4x4 MIMO対応により450Mbpsへと高速化の計画を推進可能となる。

イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念 イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

LTE対応基地局は、既にF0対応が完了しており、追加投資なく112.5Mpsのサービスをすぐに提供可能になるということで、周波数の有効利用の観点においても問題が無く、また対応製品のユーザにとってもメリットが大きい。

エリアに関しては、2014年3月末で80%の予定で2015年には95%まで拡大する計画ということで、大手3社のLTEサービスと比較するとかなり狭い状態が続く。

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F0対応製品は、既発売で4機種あり、今後発売となる製品も当然ながら対応するはずで、下り最大150Mbpsのサービスが開始されても、そのまま利用できる。

1.7GHz帯は、EMOBILEがF0を獲得し、ドコモが東名阪エリア以外を含む全国で利用できるようになれば、イコールフッティングとなり公平なLTE高速化競争が実現するということで、LTEバンド3でのLTE利用という点においては、確かに妥当性があるだろう。

イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念 イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

利用効率も、連続した20MHzとなるEMOBILEが使用したほうが良い事は実験でも証明している。
ドコモはこれから同帯域でのLTEサービスを開始し、対応製品をリリースする初期段階であり、利用可能な帯域(800・1500・1700・2000MHzで合計60MHz)で下り最大合計225Mbpsが提供可能となることから、F0の追加割当が必要な状態ではないとしている。(あくまでもEMOBILE単体であり、ソフトバンクグループの保有する帯域ではなく。)

高速化だけではなく、EMOBILEは同帯域しかサービスを提供しておらず、かつ、LTEもサービス開始から既に1.5年が経過したことで、実績やユーザ数も十分といえる。 更に今年の春から同帯域をソフトバンクにローミング提供しており、ソフトバンク主力製品のiPhoneユーザが利用する事から、都心部ではかなり逼迫しつつある状態ではないかとも推察される。

 イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

これらの背景から、EMOBILE単体・イー・アクセス社として見れば、F0の追加割当は、同社が得るべきといえる状態であり、これらをアピールする事は当然の流れであろう。

しかし、700MHz帯の免許取得が確定した後に、ソフトバンクに買収され(2013年1月1日に株式交換での完全子会社化)、持ち分調整(2013年1月17日に議決権付株式66.71%を譲渡)があったものの33.29%%の議決権付株式(発行済株式では99.5%)はソフトバンクが保有するため、ソフトバンクのグループ会社(持分法適用関連会社)という位置づけであることは間違いない。
この状態をF0追加割当に向けてどのように考えているのかを確認すべく、イー・アクセス広報への訪問取材を行った。

【3】広報への訪問取材レポート >>

※9月30日午後以降に掲載予定


特集:イー・モバイルのLTEバンド3・1.7GHz帯の追加割当獲得に向けた意欲と懸念

 

LTEバンド割当状況

オペレータ 種別 FDD FDD FDD FDD FDD FDD FDD FDD TDD
バンド 1
2100MHz
3
1800MHz
8
900MHz
11
1500MHz
18
800MHz
19
800MHz
21
1500MHz
28
700MHz
41
上り 1920~1980 1710~1785 880~915 1427.9~1447.9 815~830 830~845 1447.9~1462.9 703~748 2496~2690
下り 2110~2170 1805~1880 925~960 1475.9~1495.9 860~875 875~890 1495.9~1510.9 758~803
NTTドコモ 全国バンド 未定       Middle
2015年?
 
東名阪バンド   2013年10月以降              
KDDI/沖縄セルラー         Low
2015年?
 
UQコミュニケーションズ                
ソフトバンクモバイル   2014年4月以降          
イー・アクセス             High
2015年?
 
Wireless City Planning                

 

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