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ゴールデンウィーク都心エリアのLTE通信状況をクルマで一周フィールドテストレポート【スループット】下り最速Xi、上り最速で安定のau 4G LTE(Android向け)、意外に善戦EMOBILE
( 2013-05-06 06:00:00 )

ゴールデンウィーク都心エリアのLTE通信状況をクルマで一周フィールドテストレポート

ゴールデンウィーク後半、静かな都内で実施したLTE電波状況のフィールドテストレポート第2弾は、下り・上りスピードの『スループット』をテーマにお伝えする。
  

下り・上りのスピードテストについて

スピードテストは、基地局からの距離や電波そのものの届きやすさ、場所・時間帯・人の多さなどによるネットワークの混雑状況により大きく左右され、その結果の1つ1つが、その瞬間のその場所のものでしかない。

とはいえ、同じ場所・同じ時間帯で利用する事が多い家・通勤通学経路・勤務先や学校といった生活動線で、快適な通信状態ならば続いて欲しいし、通信状態が悪い場合は、早々に改善して欲しいと思うはずだ。 

近年は、各キャリアがエリア改善の窓口を設けていることをPRし、繋がりにくいなどの情報を積極的に個人からも収集するようになり、もちろん従前通り日々の改善努力をしていることから、急に電波状況が良くなることも最近は多くなったと感じる人も少なくないだろう。
 

そこで、通信状況を数値的に確認するために、スマートフォン用のスピードテストのアプリが普及しているわけだが、速い・遅い・パケ詰まりだなどと、個人レベルで回線品質についてのレポートがTwitterを中心として掲載されている現状がある。 

また、スピードテストツールで、マイエリアの電波状況を継続的に計測することは、少なくとも、状態が良くなっているのか、悪くなっているのか、変わらないのかを掌握する記録となり、また、キャリアに改善要望を伝える際にも、より正しい情報を伝えることが可能で、早期改善に繋がることが期待できるため、不定期でも良いので計測することをお勧めする。(計測し過ぎてパケット量が膨大にならない程度に。)

メジャーなアプリによるテストは、お手軽で、共通のものさしとなるが、一方で、モバイルネットワークの混雑状況などとは別に、アプリの使用するサーバやサーバが接続している回線の混み具合で結果が大きく異なったり、あるいは体感とは異なる良好過ぎる数値結果(稀に理論値を超えるような数値)が出ることで、テスト結果がおかしい、ツールがオカシイ、あるいは、何らかの対策により良い結果が出ているのではないか?という疑問の声さえも最近はよく聞かれる。

キャリアサイドならば、自社のインフラ状況も含め、正しく掌握でき、計測方法も確立されており、より正しい状況が掌握できるはずだが、エンドユーザレベルで、正確な状況を掌握する事は容易ではない。
 
 

今回のXenSurveyも、外部からのテストを実施できるツールに過ぎないが、月額数千円から1万円程度の課金が発生するため、利用者数も無料ツールと較べてかなり少ないことが想定され、実際にテスト結果も今のところはかなり安定している。

XenSurvyも無料ツールと同様に、スマートフォンからの計測を行うネットワークの向こう側には、サーバが配置されているが、そのサーバのロケーションが下り・上り測定用は東京にあるということで、海外サーバに比べれば経路による影響も少ない結果が取得できる。(Latencyは昨年12月までは国内サーバを使用していない事を確認しているが、今回の結果を見ても、おそらく海外サーバを利用していることが想定される。)

XenSurveyでのテスト結果については、常識から外れた特異な結果が出ていないことから、何らか測定結果を良好にするような対策もされておらず、妥当な、正直な結果であろうと推察しており、利用を継続しているが、今回のテスト結果も確からしいと言えるが、正しい事を保証するものではないので、一結果として参考程度に留めて欲しい。
 

下り速度最速はドコモXi、高速安定のau B11-B18(Android向け帯域)

前置きが長くなったが、今回のフィールドテストにおける下りスピードおよび上りスピードについてレポートする。

XenSurvey docomo LTE Xiスピードテスト結果

全回線を重ねたグラフをみると、下り速度で速い(グラフの上側にプロットが多い)であろう回線はau 4G LTEのB11・B18であろう事と、docomo LTE Xiも飛び抜けて速い計測ポイントがあることが見てわかる。

次に、5回線種での結果を表にまとめた。
ベストな値をピンクで、2ndベストな値をグリーンでセルに色をつけている。

スループット
(下り・上り速度)
ドコモ au B1 au B11/B18 SoftBank EMOBILE
下り 上り 下り 上り 下り 上り 下り 上り 下り 上り
ベスト 40.46 8.96 17.74 7.07 33.85 15.11 31.87 9.38 25.1 10.19
平均 11.72 3.11 5.37 5.02 14.58 9.42 7.8 6.05 5.05 5.27
ワースト 0 0 0 0 0.17 0.36 0.68 1.96 0 0
下り10Mbps超/上り6Mbps超 51% 7% 12% 39% 73% 83% 23% 55% 9% 38%
下り5-10Mbps/上り5-6Mbps 32% 11% 38% 27% 23% 5% 48% 23% 28% 26%
下り5Mbps未満/上り5Mbps未満 18% 83% 12% 34% 4% 12% 30% 22% 63% 37%
LTE率 99% 100% 98% 100% 97%

全サンプル数での気になる最速は、docomo LTE Xiが下り最速40.46Mbpsau 4G LTEのAndroid向けバンド(B11/B18)が上り15.11Mbpsという結果となった。

更に、平均値や「下り10Mbps以上・上り6Mbps以上」の接続状況で『auのAndroid向け(B11/B18)がベスト』というLTE通信速度の比較結果となった。

これは、AppComing編集部がここ数か月でテストを実施した結果と適合しており、妥当な結果であろうと判断している。 つまり、読者の皆様に参考にして頂くレベルの結果と言える。
 

以下、各キャリア毎の結果について述べる。
 

docomo LTE Xi

XenSurvey docomo LTE Xiスピードテスト結果

ドコモは、2.1GHz(B1)の10MHz幅化が進んでおり、体感速度もここ数か月でかなり向上していたが、グラフを見ての通り下り20Mbps超の測定ポイントが17か所で20Mbps近いポイントも多く、かなりの高水準だった。

下り速度上位5位までのうち、1位・2位・5位がXiで、3位・4位がauという結果からしても、10MHz化が完了したエリアは高速LTEが利用できるようになりそうだ。

増強前のエリアが全体の足を引っ張っていることで、平均値はauよりもやや下が回る結果となったが、10MHz化が進めば平均もかなり向上する事が予想されるので、今後の強化に期待したい。

上り速度に関しては、Xiサービスイン当初から、あるいはFOMA時代から変わらず、絞られていて他社よりも遅いという結果だ。 SNSなどでの写真付き投稿など、多くの人は上り速度=データのアップロードにストレスを感じる事は少ないレベルのスピードだが、業務利用などでデータを大量に転送する場合には、上り速度が重要となるので、次世代LTEの際には、高速な上りを実現して欲しい。
  

au 4G LTE(iPhone5用B1およびAndroid用B11・B18)

XenSurvey au 4G LTE B1スピードテスト結果
au 4G LTE(iPhone5用B1)
 

XenSurvey au 4G LTE B11・B18スピードテスト結果
au 4G LTE(Android用B11・B18)
 

KDDIは、Android向け帯域が非常に良い結果となっている。下り速度が20Mbps以上の結果は28か所も記録しており、エリア最速LTEといえる結果だ。

今後も800MHz帯・10MHz幅を中心に展開するとしており、次期iPhone5s(仮)が800MHz対応して登場するとなれば、恐らく都心部では最強、鬼に金棒状態になるかもしれない。

ドコモの10MHz幅化で快適さが増している事をリファレンスモデルとすれば、KDDIのユーザ数なら、当面は800MHz帯を中心とし、1.5GHz・2.1GHzで補完するようなLTEネットワークにより、ユーザ満足度の高い環境を提供できることが想定される。

しかしながら、現行のiPhone5ユーザにとっては厳しい結果となった。

SoftBankと比較すると、確かに見劣りする結果であり、かつB1/2.1GHzの増強が期待できないとなると、現在のLTEのの穴が埋まるかどうか、買い替え時期まで不安や不満な状態が続く可能性もある。 四国はB1のLTE(iPhone5でのLTE)が使えるようになったのだろうか?と心配になる。

四国の某auショップ『お話だけでもきいていっって下さい』
四国にて「お話だけでもきいていっって下さい」と昨年12月の某auショップ

  

SoftBank 4G LTE

XenSurvey SoftBank 4G LTE B1スピードテスト結果

SoftBankは、4G LTEがB1(2100MHz)・5MHz幅しかない事を踏まえれば、まずまずの結果といえるだろう。

『接続率No1』という独自の指標で自社のLTE網の良さを打ち出している同社だけに、ワーストな数値が他社よりも上=繋がらない事が無かったという点は、高く評価されるべき点であろう。 
方向性を定めると集中してそこを改善するというソフトバンクらしい結果と言えるかもしれない。

また、単に繋がるだけではなく、上り速度については、55%以上が6Mbps超とau B11/B18に次ぐ結果となっていることも限られた帯域での結果としては評価したい。

但し、高速なLTEと宣言するには厳しく、下り速度が20Mbps以上の結果は2度しか計測されておらず、au B11/B18の28回・ドコモの17回には到底及ばない。

今後は、自称プラチナバンド900MHz帯(B8)の活用やイー・モバイル乗り入れのダブルLTEでiPhone用帯域不足を補う必要があり、また、この結果と合わせて、別途レポートする電波品質とともに、大幅な改善が期待されるが、一朝一夕にはいかない問題であろう事も想定される。
 

EMOBIL LTE

XenSurvey EMOBILE LTE B3スピードテスト結果

EMOBILEは、スマートフォン向けLTEでは最後発となるが、データ向けでは昨年春にドコモXiに次ぐサービスインを果たしており、1年の運用実績もある。

数値全般としてはまずまずということになるが、上り最速が10.19Mbpsとauに次ぐ2ndベストを記録しており、下りも20Mbps以上の結果は4回、20Mbpsに近い結果も3回計測されており、4番目のキャリアとしては、かなり善戦していると言えるだろう。

但し、手放しでは喜べない未来がある。 ソフトバンクのダブルLTE施策によるソフトバンクiPhone5ユーザのEMOBILE LTEへの乗り入れが3月21日よりスタートしており、今回の結果にどれだけの影響があるかは不明ながら、今後は負荷が増大していく事は間違いない。

モバイルルーターを中心とした古くからのデータ利用のユーザをLTEにマイグレーションするようなプロモーションを行なっているが、ダブルLTEでネットワークの品質が急速に劣化するのでは?という懸念をうまく払拭しなければいけないだろう。

1ユーザとしても、イー・モバイルによるエリア増強のスピードが、ソフトバンクユーザ乗り入れによる負荷増加スピードを勝らない限りは、劣化していくことになるだけに、継続的に注視していく必要がありそうだ。
 


上り下りのスピードばかりが注目される事が多いが、電波の質が良くなければ、Webの閲覧や動画視聴などに遅延やストレスを感じることになる。

XenSurveyでは「Quality」クオリティ)」メニューにLatency(ping応答速度)・パケットロス(データ喪失)・ジッター(揺らぎ)が用意されており、繋がらなかったポイント以外の接続出来た場所での各データ・グラフを参照することで、電波の質を評価できる。

例えば、ソフトバンクは、計測区間での「繋がること」を証明しているが、Jitter(ジッター=揺らぎ)が全回線種でもっとも不安定という結果で、「ソフトバンクの動画視聴はダメ」という声が聞かれる要因は、こういった電波の質によるものといえる。

基地局ごとのチューニング、周囲の基地局との干渉を考慮したエリア設計と変化への対処を含めた運用が、これらのクオリティを決定する要素として大きく、小セルを数多く打って、繋がるように見えてもパケットが抜けない、思うようにデータが流れないという状態は、ユーザ数・トラフィック量が多い事だけではない。

クオリティの詳細に興味のある方は、下記XenSrveyのWebインターフェイスを利用してご確認頂きたい。
 

XenSurvey

XenSurvey テスト結果Webサイト http://bit.ly/XenSurvey-20130504.html
※開発元Xencode社による外部サイトの為、アクセス状況掌握の為にbit.lyを使用する


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