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EMOBILE LTEおよびEMOBILE PocketWiFi LTE製品発表プレゼンテーション
( 2012-02-24 03:00:00 )

イー・アクセスによる、FDD-LTE方式による下り最大75Mbps・上り最大25Mbpsの高速モバイルブロードバンドサービス『EMOBILE LTE』および対応製品『EMOBILE PocketWiFi LTE』の製品発表(2012年2月22日)についてご紹介します。


新サービス名称は『EMOBILE LTE』


2015年3月期のLTEユーザ数予想は、市場全体で1500万人、自社予想(目標)を既存ユーザのマイグレーションを含め660万人とする


データ通信を中心とするモバイルブロードバンド事業は、このLTEサービス開始以降、スマートフォンの強化を図り、エリアカバー率を高めていくという中期事業戦略『成長戦略2015』について簡単に紹介


LTEにより下り最大速度を高めてきたモバイルブロードバンドの進化


EMOBILE LTEは、当初下り最大75Mbps・上り最大25Mbpsという国内最速クラスのサービスをFDD-LTE規格で展開し、今年6月末には、東京・大阪・名古屋主要都市99%のエリア(市町村役場が存在する地点)でLTEサービスを利用可能とする


既存のDC-HSDPAとLTEを同一周波数帯かつ同一設備で利用する「デュアルモード基地局」を採用し、20MHz帯域幅まで拡張することで、下り最大150Mbpsも可能となること、そして、オールIP化かつ大容量のバックボーンへと強化を図る


1.7GHz/1.8GHz帯は世界のLTEにおいて23%も利用されており、グローバルな調達に優位であると


LTEエリアは、2012年3月末時点では役40%程度、来年3月末では約70%とする計画。


EMOBILE LTE対応製品のブランドは『Pocket WiFi LTE』


従来の自社DC-HSDPA製品に対して、連続通信時間が2倍の9時間、バッテリー容量36%アップの3,000mAh、同時接続可能な端末台数を10台とするLTE+DC-HSDPAに対応したモバイルルーター2機種(Huawei製GL01PおよびanyDATA製GL02P)を発表


USB接続のスティック型データカードとして、GL03Dを発表

料金についての発表は無く、質疑に回答する形で、月額3,880円を目指すとエリック・ガン氏が答えると、関係者席からの質問では、他社が6,000円程度で展開するのになぜこの価格なのかと、安すぎるのでは?という意図での指摘がありましたが、検討中であることを強調していました。

昨年7月に発売されたGP02では、2段階料金のスーパーライトデータプラン・にねんSが発売当初に設定され月額900円から利用が可能であったが、その後の改訂で、にねんSは利用できなくなりました。 一方で、先日、ヨドバシカメラが、日本通信のMVNOによる月額0円からの3Gデータ通信サービスを発表したばかりであり、利用しない月の料金を抑える事が期待されます。

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エリアについては、6月に東名阪で99%としているものの、あくまでも所定の役所所在地という点であり、実際にLTEが利用できる面として、基地局のLTE対応化率が広がるまでは、かなり限定的なユーザのみが利用可能ということになると考えられます。
(発表後の質疑応答においても、LTE対応基地局数は今後発表する予定があるが、LTE対応の比率については、発表を予定していないとしていることからも)

期待すべきは、スマートフォンとタブレット端末の普及率が高いとされている東京圏において、面でのカバーが高まり、利用者の評価や満足度が高まることで、目標とする加入数やシェア獲得に繋がるものと思われます。 また、Xiエリア対応の予定が遅れ気味とされている(直近でも、4月対応予定が1-2ヵ月の後ブレをしている)状態があるため、関西圏での早期のLTE対応化も期待されます。

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速度面については、ドコモXiと同様に、最大の下り75Mbps/上り25Mbpsエリアは限定的となれば、その多くは37.5Mbps/12.5Mbpsという理論値となり、他の現行方式(UQ WiMAX)や、他社との競争に大きな優位性は無いかもしれません。 但し、各社同様となりますが、プラチナバンドと言われ900MHz周波数帯の総務省割り当てがあれば、現在の15MHz幅の5MHzのみをLTEに使用するという状況や、電波特性の違いによる優位性も高まる可能性があり、割り当ての有無や、その後の発表は、注視すべきポイントです。

また、発表会でのデモおよびYouTubeに掲載しているデモ動画でも同様ですが、下り70Mbps超であっても、上りは1Mbps+α程度と抑制されているような結果となっていることから、動画や写真のアップロード等において、顧客が満足できる上り下りの帯域バランス・調整がされることが期待されます。

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LTE対応のモバイルルーター製品については、9時間連続動作や10台までの接続が可能な点など、従来のPocketWiFi製品から向上した点が多いことは、非常に高く評価できるポイントです。

NTTドコモから発売されているモバイルルーターは、昨年5月発表・6月発売のL-09Cのみで、BF-01Cについては、発売が見送られ、やっと3月に9ヵ月遅れで発売される予定のBF-01Dが、外観は若干大きく、しかし製品重量は105g→193gとかなり重くなったにも関わらず、6時間を予定していた連続稼動が4時間まで短くなり、通勤や通学の往復などのレベル以外では充電環境が必要になる状態です。

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LTEとDC-HSDPAのネットワーク切り替えについては、通常、数秒程度掛かるとの発表がありましたが、ネットワーク間の切り替え(inter-RAT)は、ドコモXiにおいて評判が良いとは言えない状況であることから、不安材料ではないかと考えられます。 但し、今回の製品は、Web管理画面でDC-HSDPA固定モードに設定可能という確認ができました。 これにより、LTEとの境界域や高速移動においては、DC-HSDPAに固定することでより安定した通信を実現できる可能性が高まります。逆にドコモXi製品は、3G固定モードはなく、PocketWiFi LTEが優位とされるポイントとなるかもしれません。ハードウェア(ボタンやスイッチ)によるモード切替が可能であれば、より簡易に設定できるため、LTE網の面での整備が進むまでは、是非とも実装して欲しい点です。

※KDDIより発売されている+WiMAX対応DATA08Wモバイルルーターは、au3GとWiMAXのネットワークを自動切り替え・WiMAX固定・3G固定で利用が可能ですが、そもそもau3GとUQ WiMAXが異なるネットワークであることから、切り替えは分断され(inter-RATできない)、自動切り替え設定の際は、LTE-3G間とは異なります。

LTEまたは3Gを掴んだままなかなか離さない状態で切り替えがうまくいかないと、ユーザはストレスを感じる事になるため、サービスイン後のチェックポイントとして、重要と考えています。

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何れにしても、今回の発表では、不明な点も多く、今後、総務省の900MHz帯割り当ての結果やサービスインの際に発表されるであろう内容、および、サービス開始後のフィールドテストの結果によって、それらが明らかになるものと思われます。

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