KDDI、au発表会2014WinterでVoLTEサービスインおよび対応機種を発表。3Gに落ちない99.9%超のLTE維持率「Always 4G LTE」でドコモを追撃 ( 2014-10-28 08:00:00 )
KDDIは、2014年10月27日にau発表会2014Winterを開催し、自慢のLTEネットワーク網をベースに2014年12月初旬からのVoLTEサービス開始 とVoLTE対応2機種 を発表しました。
冒頭、KDDI田中社長が登壇して、「あたらしい自由」の取り組みとして、10月16日に発表したSyn.について軽く触れたのち、本題のとなる「au VoLTE」を発表しました。
au VoLTEは、「高音質通話だけで終わらせては面白くない」「Voice x Data シンクロ・コミュニケーションで生活革命」とし、LTE人口カバー率99%超(800MHz帯のLTE)、また新たに独自の指標として3Gに落ちないLTE維持率99.9%超でLTEのみの「Always 4G LTE」でau VoLTEを支えると、いつもにも増して自信満々の田中社長。
それもそのはず、今回発表の2機種ともに国内向け3Gは搭載せず、データのみならず音声通信でも3Gに落とすことなく、LTEのみで全ての通信を行うとのこと。
さらに、VoLTEには関係ないとしながらも、同日にグループ会社のUQコミュニケーションズが発表したWiMAX 2+でCA(キャリアアグリゲーション)による下り最大220Mbpsのサービスを2015年春から開始することも付け加えました。
auスマートフォンは、春モデルも別途予定しているようですが、WiMAX 2+のCA対応スマートフォン登場予定はありません。
VoLTE対応端末は、夏モデルのisai FLをベースとした「isai VL LGV31」および同じく夏モデルURBANO L03をベースとした「URBANO V01」の2機種を発表しました。
何れも、海外ではローミングでの3G音声通話およびLTEデータ通信に対応していますが、国内ではLTEのみでデータと音声の通信を行います。
※先にプレスリリースでのみ発表していた2014冬モデル「Xperia Z3 SOL26」および「GALAXY Note Edge SCL24」は、残念ながらVoLTEに非対応です。
「au VoLTEによる生活革命」を実現するとし、基本スペックとして以下の点が改善され、12月のa VoLTEサービスインと同時に実現します。
- au VoLTE対応端末同志であれば高音域がクリアに
(音声周波数は、従来の200Hz~3.4kHzから50Hz~7kHzへと広帯域化) - QoS制御(音声パケット優先)で安定した高品質通話を実現
- 通話発信時に3Gへの切り替え不要でスピーディーな発着信が可能
さらに、Voice x Dataによる「あたらしいシンクロ体験」として、シンクコールとボイスパーティー機能が追加されます。
シンクコール基本機能(2014年12月初旬に提供予定)
Webやアプリ利用中の着信時にウィジェット型の専用UIが起動して、「受話」「スピーカー受話」「終話」からタップ操作で選択。 UIを最小化してWebやアプリ操作を継続しながらの通話も可能となり、従来のau端末では対応できなかった音声通話とデータ通信の同時利用ができます。
シンクコール シンク機能(2015年2月以降に提供予定)
以下の4機能が利用料無料で提供されます。
但し、発信者はデータ通信料・通話料が、受信者は転送されてくる画面情報などのデータ通信料が、それぞれ課金されます。
- 画面シンク
閲覧中のWebや、写真・動画などを通話相手の画面に表示する機能。
従来のURL送信・受信・ブラウザで確認という手間がなくなりスムーズになります。
- 手書きシンク
画像をディスプレイで共有して、通話相手と2人で手書きできるインタラクティブな機能。
写真のデコレーションや、友人への手書きバースデーカード作成などに使えそうです。
- 位置シンク
マップに2人の位置をポイントで示す位置情報の通知機能。
待ち合わせの場所がわからない相手に正しい場所を伝えて道案内する際には便利そうです。
- カメラシンク
撮影している動画をリアルタイムに通話相手に共有する機能。
旅先の感動や臨場感を伝えたり、ショッピングで迷った時に相談する際など、リアルタイムな共有が可能です。
ボイスパーティー(2014年12月初旬に提供予定)
発信者を含め同時最大30人での通話を可能にする機能。
相手先は従来の携帯電話3Gや固定電話など端末や回線種を問わず、ビジネスであれば本支店間や外出中のメンバーでの電話会議、個人であれば遠隔の家族や友人とのコミュニケーションに有効です。
VoLTEーVoLTE間では発着信がスピーディーに発着信しますが、相手先の回線種によって着信・受話までの時間が異なるため、VoLTE対応端末からVoLTE・3G・固定の各回線へのボイスパーティー通話テストを実施してみたいところです。
利用料金は、オプション料金の月額300円(税抜)または電話基本パック(V)月額400円(税別)と、通話先に応じた通常の通話料が掛かります。
トークセッションでは、松岡修造さん、 福士蒼汰さん、咲花さんの3人をゲストに迎え、田中社長と新サービスについてのやり取りはありましたが、終始、松岡修造さんペースの一人舞台状態でセッションを終えました。
今回のKDDIの発表は、NTTドコモが先行していたVoLTEサービスイン約半年遅れるものの、国内では3Gを一切使用せずにLTEのみで勝負する「Always 4G LTE」「au VoLTE」で一気に形勢逆転の様相です。
KDDIは、800MHz帯のLTE網に自信があるとはいえチャレンジングであり、しかしながら直近のフィールドテスト結果をみると他社はすぐには追随できないであろうことから、レス3Gのau VoLTEは少なくとも他社を半年・1年ほど先行するVoLTEサービスとなりそうです。
また、KDDIが先行しているCA(キャリアアグリゲーション)に対抗すべく、NTTドコモは来春に下り最大225MbpsのCAサービスをモバイルルーターから開始することを発表していますが、KDDIもグループのUQコミュニケーションズによるWiMAX 2+で、下り最大220MbpsのCAサービス開始することで追撃する構えです。
スマートフォンユーザの増加や通信量の増加により、大都市圏を中心としたトラフィックが逼迫している状況で、高速化やキャパシティの向上を競うことはユーザにとっては好ましい状況であり、更なるネットワーク品質の向上が期待できます。